2010年02月15日

[052]【研磨材屋のマニアな話B】知ってるとタメになるサンドブラストの豆知識(1)(2010/2/10号)

今月号は「研磨材屋のマニアな話」として秋山産業の専門分野の一つである「サンドブラスト」に関するお話しをさせて頂きます。
歯科技工で使用される「サンドブラスト」は別名「エアーブラスト」と言い、その名の通り、エアー(圧縮空気)を使って研削材を投射するというものです。歯科技工業界ではこの「エアーブラスト」は大きく2つ、「ペンシルブラスト」と「循環式サンドブラスト」に大別されており、使用環境・使用用途に応じて使い分けられております。
ここまでは皆さんがご承知の基礎知識的な話。ではここから少しマニアな話しを・・・。
この「エアーブラスト」、噴射方式として「吸引式」と「直圧式」の2種類ある事はご存知でしょうか?
まず「吸引式(重力式)」は最も一般的な噴射方式で、空気の負圧で研削材を吸い上げて噴射するというものです。塗料を噴射するエアーガンや霧吹きをイメージして頂ければ判り易いかもしれませんね。研削力は平凡ですが、構造が簡単で壊れにくく安全で安価、連続噴射やON-OFFの激しい環境下でも反応良くご使用頂けます。ノズルガンから2本のホース(エアーホース、砂ホース)が出ている機械はこの方式です。「ペンシルブラスト」「循環式サンドブラスト」のいずれにも広く採用されております。
次に「直圧式(加圧式)」は圧縮エアーを一度研削材の入った加圧タンクに入れ、圧力を上げた後に一気に噴射する方式です。その特徴は何と言っても強い研削力。一般的に同じノズル径で「吸引式」に比べて約3〜5倍程度の研削力を誇ります。しかしながら、加圧タンクや構造上の問題から「吸引式」に比べて価格は高いです。また、たとえOFFしても加圧タンクに残圧が残っている間は噴射がすぐに止まらないといった点にも注意が必要です。鉄製もしくは硬質樹脂製のタンクが備わっており、このタンクからノズルガンまで1本のホースで結ばれている機械はこの方式です。一部の「ペンシルブラスト」で採用されており、酸化皮膜や埋没材の除去が快適に短時間で行なえる面で人気を集めております。
いかがでしたでしょうか?この2つの特性だけでも知っていればサンドブラスト機の選定で結構お役に立ちますよ。知れば知るほど奥の深い「サンドブラスト」次回もお楽しみに!!

<ご参考>
●様々な業界で活躍する吸引式サンドブラスト機
 ・汎用型吸引式サンドブラスト機
 ・小型循環式サンドブラスター
 ・ペンシルmini-U

●様々な業界で活躍する直圧式サンドブラスト機
 ・汎用型直圧式サンドブラスト機
 ・ペンシル・プロブラスト
 ・ペンシルmini-U

小型循環式サンドブラスター ASB-2型 ペンシルmini-U(吸引式) ペンシルmini-U(直圧式)
posted by ケンマ君 at 21:12| ケンマ君通信